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2011年7月

自宅を本拠地とする契約調査業務と事業場外労働

【日本インシュアランスサービス事件・東京地裁平成21年2月16日
 労経速2037】
○自宅を本拠地として、自宅から確認先(被保険者宅、病院、警察
 事故現場等)を訪問して告知の有無、事故の状況、障害の状態等の
 事実関係を確認し、その結果を報告にして会社に郵送するという
 業務
○休日労働の労働時間の算定について会社の定めた概括的な算定
 方法が有効か否かが争点となった
 移動時間:
 自宅と確認先の移動時間は原則として労働時間ではないが、移動
 時間が一定以上となる場合に限ってその超過分を労働時間として
 扱う
 報告書作成時間:
 1年間の実績にもとづいて平日1日あたりの報告書作成時間を算出
○裁判所は、労働のほとんど全部が使用者の管理下にないことから、
 一定の算定方法に基づいて概括的に報告書作成時間等を算定
 することにも合理性があると判断し、本件の場合には会社に裁量権
 の逸脱はないと判断
○休日なので所定労働時間等が観念できず、
 みなし労働時間制によることができないとした上で、
 使用者者の定めた一定の算定方法について裁量権の逸脱が
 あるか否かという判断枠組みで判断している点はある意味斬新で
 ある。
 (みなし労働時間制によることができない、という点は議論あろう
  と思われる)

 

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競業会社に就職した執行役員に対する転職差し止め請求

【X生命保険事件・東京地決平成22年9月30日・新2831】
○生保会社を退職した執行役員に対して競業禁止合意に基づいて
 1年間の競業行為を容認したもの。
 差し止め請求が認められた事例として参考となる
○ファクター
 ・債務者は執行役員として相当な厚遇を受け競業避止条項に対する
  代償としての性格もある
 ・執行役員契約書において、競業禁止条項がある(2年間)
 ・新たな保険商品の種類、開発計画、計画の進捗状況及び販売時期
  等に関する営業上の秘密にアクセスする権限があった
 ・債権者も競業会社も日本全国において営業を行っており、地域制限
  がなくてもやむをえない
○退職後の競業 下110418
 ・サクセスほか(三佳) 最高裁平成22年3月25日
  在職中の競業行為はなかった
  退職後の特約はなく、退職後の不法行為も否定
 ・ことぶき事件 最高裁平成21年12月18日
  退職後の特約はないが、退職後の不法行為を肯定(顧客カードを使用)

 

 

 

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