高年齢者

高齢者の再雇用拒否

【日通岐阜運輸事件・岐阜地裁平成20年9月8日・労経速2016-26】
○再雇用基準を満たしていないとして再雇用を拒否した事案。再雇用基準の内容の
 適法性が正面から争点となっている。
○原告は建交労の組合員。
○再雇用基準については、多数組合との労働協約で設定している。
○再雇用規定の内容の適法性について
 ・過去1年間で所属セクション内での順応、セクション内のチームワークの維持に問題が
  ないこと/過去1年間で会社資産である車両、備品の取扱いに問題がないこと
  という内容は抽象的ではない。
 ・1回でもCランクと査定されれば再雇用を拒否するというのは、一定以上の能力を要求
  することは不合理ではないし、C評価は従業員の20%に留まるので人事評価基準も
  相当な基準である
  賞与の査定について、具体的内容を労働者に明らかにしていないので、客観性も予想
  可能性もないと主張するが、個人査定の指標があるので客観性を欠くものとはいい難
  としている。
●再雇用拒否した場合には、再雇用基準の内容が抽象的であるとか、評価方法が恣意
  的である等して争われる可能性がある。入念に守りを固める必要がある。

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自主退職の有効性が争われた事案

【日本旅行事件・東京地裁平成19年12月14日】
○事案
 役職定年を迎えた従業員が、会社提案の移籍では単身赴任が解消されないとして
 移籍を拒否し、自主退職した事案。
 実際は、そのままプロフェショナル職として会社に残るという選択肢もあったのであるが、
 従業員は移籍を拒否した以上退職せざるを得ないと誤信して自主退職したものであり、
 錯誤無効を主張した。
○裁判所は、誤信を認めたが、就業規則や労使協定に、役職定年後には、移籍かプロ
 フェショナル職に残るかの選択肢があることが明記されているので、重大な過失がある
 として、錯誤無効を認めなかった。
●懲戒解雇になると言って自主退職させた場合に、錯誤無効等が問題となるケースが
 多いが、役職定年の場合等でもこの種のトラブルが発生しるうことを改めて認識させ
 られるケースである。

 

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定年後雇用延長に関する裁判例

【クリスタル観光バス(雇用延長)事件・大阪高裁平成18年12月28日判決・労新2652】
○60歳以降の雇用延長がなされなかったことについて、解雇権濫用法理の類推適用に
 よって雇用延長の非承認は無効とし、雇用延長に係る雇用契約が成立したものとした
○雇用延長に関する協定書が存し、1審は原告の勤務成績不良を認定して協定の要件を
 満たさないとし、延長しないことは適法とした。高裁は過去非違行為のあった他の従業員
 も雇用延長されていることとの均衡を重視したものと思われる。
●65歳までの継続雇用制度を設定している会社は多いが、その基準の運用の平等性の
 重要性、そして1度甘く運用すると後々不利になることを再認識させられる判例である。
 再度のチェックが必要であろう。
○高年齢者雇用安定法に関する一般的情報は以下のとおり
 (厚生労働省 制度紹介 職業安定局)
 http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kourei2/index.htm

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