職種限定特約が認められた場合と他職種への配転
【東京海上日動火災保険(契約係社員)事件・労判941ー1】
○損害保険会社の外勤職員(RA)について、その制度の廃止に伴い、退職の募集を行う
一方、残った従業員に対して職種を変更した上で継続雇用すると提案・通知したが、不
満をもつ複数の従業員が会社を訴えた例。
○RAについては、賃金体系や職務内容、RAから内勤への転換の実績、入社時の説明
等から、職種限定特約の存在を認めた。
○しかし、職種限定特約がある場合でも、採用経緯と当該職種の内容、職種変更の必要
性の有無・程度、変更後の業務内容の相当性、労働者の不利益の有無・程度、代替措
置等を考慮し、他職種への配転を命ずることができる余地があるとした例(あてはめに
おいて、配転は無効と判断している)。
●会社として、職種を変更したり、勤務地を変更したりする可能性があるのであれば、職
種限定や勤務地限定と言われないように留意する必要がある。就業規則のみならず、
採用時の説明や実績等も重要なファクターである。
●また、職種限定の特約が認められた場合は、個別同意ない限り職種変更はできないと
いうのが一般的な理解であるが、一定の合理性が確保できる場合には個別同意のない
職種変更を認めるという判断は画期的である(会社に有利)。
●なお、職種限定の特約がなくても、業務の系統を全く異にする職種への異動(事務職か
らナースヘルパー等)は、業務上の特段の必要性及び特段の合理性が必要、としてハー
ドルを上げている裁判例もある(【直源会相模原南病院事件・最高裁平成11年6月11
日】)ので留意が必要である。
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